Index

1.ブログの目的2.国際法3.時事問題・国際関係

外務専門職をめざして

国際法・憲法判例、要旨まとめ、経済学等試験勉強のため。国際関係学、ロシア等に関する個人的意見。助言、訂正お願いします。

国内法と国際法の相違点

問題提起

国内社会における個人、国際社会における国家はそれぞれの社会における法主体であり、個人は国内法により、国家は国際法により規制される。国内法と国際法の法的基盤の違いは何か。国際法の存在根拠は何か。

 

理由

第一に、国内社会には憲法(最高法規)に基づいて、統一的権力を有する国家機関が国内法の制定に関して法的強制力を有する。一方で、国際社会は分権構造社会であり、全ての国際法は、国家主権の原則に基づき、独立権を有する個々の諸国家間の合意のみによって制定され、統一的権力による強制力はなく、国家が自己を拘束する意味合いが強い。つまり、国際法における法主体は、合意をしていない法に強制されない。

第二に、国内法が個々の法の解釈、適用、執行を憲法(最高法規)に最終的に求めるのに対し、国際法は成立過程においてのみならず、その解釈、適用、執行においても国家間の合意に基づく。国際法の解釈、適用、執行に関して、他国は当事国に対して強制力を持たず、平和的に催促し、当事国との合意による解決しか図れない。解釈、適用、執行を国際司法裁判所に求めるためにも関係国同士の同意が必要であり、国際司法裁判所の判決に法的拘束力を認められる根拠もこの関係国同士の合意である。

 

国内法の強制力を最高法規に基づく統一権力に求められるのに対して、国際法は、国家間の合意による取り決めに従うことによる国家の不利益が、合意なしの無秩序により被る不利益より少なくなるという考えによる一定の強制力があるのみである。

 

考察

国内法と比較し、国際法は統一権力がない点で強制力を欠いているが、国際社会の共同利益の享受を目的に、国家同士の合意による協力がより合理的であることから発展してきたものである。